ごあいさつ

 

実行委員長   前田安彦  まえだ やすひこ

 川柳は、今日ブームとして世間で取り上げられる機会増えました。
 これはは、2007年に私どもが行いました〈
川柳250年〉という一連の行事により、広く認識が行き渡ったこととうれしく思っております。
 反面、短歌、俳句とならぶ文芸として語られることもありますが、まだまだ肩を並べるような位置ではなく、言葉遊びの一面が面白がられ、文芸としての川柳や文化としての川柳を真に知られるような段階では決してないようです。
 川柳が興って250年。短歌、俳句に比べれば時間的にも浅い文芸ですが、ニンゲンを直接描いてきた「川柳の目」は、それぞれの時代ごとに社会を映し出してきました。川柳には、川柳の良さと深さがあります。
 川柳が文芸としての理念を持ちえたのは、『誹風柳多留』という句集が刊行され、十七音のみで鑑賞されるようになったことに始まりますが、来る2015年は、その『誹風柳多留』の刊行から250年目の節目です。
 いわば「文芸川柳250年」の節目を祝すとともに、この機会に真の川柳の姿を知っていただこうというのが「柳多留250年」行事の大きな目的のひとつです。
 どうぞこの機会に川柳に親しんでいただきますとともに、川柳を通して日本の良さに触れ、生活に潤いを生み出しますような川柳との関わりを持っていただければ幸いです。
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。


 

前田安彦
1931年東京生まれ。
川柳の六大家のひとり前田雀郎を父に持つ。
川柳学会顧問理事。2007年の〈川柳250年〉実行委員長として行事を指導。
本業は、漬物学の専門家で宇都宮大学名誉教授。
全日本漬物協同組合連合会常任顧問、(社)全国漬物検査協会理事・顧問などを務める。

 

 

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